心の奥底にあるものが表面に浮き上がってくるということは、それを癒す機会を手に入れたことに他ならない。
漠然とした、しかし非常に強い将来に対する不安を、心の中にずーっと抱えてきた。恐らく、これってほぼ全ての人間が持っている感情なんじゃないか。
この恐怖は一体どこからやってくるのだろう?だって、将来どうなっているかなんてわからない。何の問題もなく、何に困ることもなく、一生楽しく幸せにやっていけるかもしれないのだ。それなのに、不安で心配で居ても立ってもいられなくて、資格を取ったり保険に入ったり貯金したり家を買ったり、サプリを飲んだり定期健診を受けたりトクホに踊らされたりするのだ。人間というのは。全く恐怖に操られてしまっている。逆に言うと、私たちにお金を使わせるためには、恐怖心を煽ればいいのだ。
やっかいなことに、恐怖心はレイヤーになっている。やっとのことであるレイヤーをクリアしたと思っても、すぐまた次の、もっと深くて大きな恐怖のレイヤーに直面するようにできている。
私は今とてもうまく流れをキャッチできている実感があるから、これまでは見ないように、感じなくてもいいように避けてきた、得体の知れない恐怖心からは大分解放されてきていると感じていた。のだけれど、先日、大きなマンホールのように口を開けている、恐怖の次のレイヤーと、ばっちり目が合ってしまった!
この恐怖を克服するには、勇気を出してその中に飛び込んでみるしかない。中はドロドロした、冷たくて暗くて悪臭のするヘドロかもしれないけれど、逃げるわけにはいかないのだ。だって、飛び込む準備ができたからこそ、マンホールのふたが私に向かって開いたのだもの。
どんなに強く不快な感情も、能動的に「感じるのだ」という意識を持って正面から取り組めば、3分半で感じ尽くせるのだと聞いたことがある。マンホールのふたは、今は目の前にはないけれど、今度出会った時には勇気を出して飛び込んでみよう。今の私になら、できる気がしている。
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